こんにちは。今回は「一つの建物を解体する」という工事の中に、実はどれほど多くの専門業者や対応が必要なのか、そしてそれを束ねる施工管理者の役割についてご紹介します。
■ 解体は“ただ壊す”仕事じゃない
一般的には、建物の解体=重機で壊すイメージが強いと思います。
しかし実際の現場では、構造、立地、設備、周辺環境などによって、さまざまな作業・専門分野が絡み合って進行します。
■ 解体現場に関わる“専門業者”たちの一例
たとえば、以下のような業者が1つの現場に関わることがあります:
・解体本体工事(RC・木造・鉄骨など)
・アスベスト除去業者
・足場組立業者
・ガス・電気などインフラの切断業者
・ダイオキシンやPCB対応専門会社
・土壌調査・処理業者
・重機運搬・トレーラー業者
・廃材の収集運搬・分別・処分業者
さらに、近隣対応・道路使用・騒音振動対策・現場警備なども必要になることがあります。
■ それらをまとめるのが施工管理の仕事
これだけ多くの関係者が出入りする中で、安全に・スムーズに・ルール通りに解体を進めるには、
施工管理者の存在が不可欠です。
・工程管理(誰がいつどこで作業するか)
・安全管理(接触事故や落下などの防止)
・法令・書類対応(行政・警察・元請け)
・各業者との連携・調整
・作業写真の記録・報告
ただ「現場にいる人」ではなく、“現場を成立させる人”が施工管理者なのです。
■ 広い知識と対応力が必要
施工管理者には、次のような知識が求められます:
・構造や解体工法の知識(RC/木造/鉄骨)
・資格に関する理解(石綿主任者、職長教育など)
・産廃やアスベストの処分ルール
・近隣クレーム対応や法令の読み取り力
・現場の空気を読む人間関係構築力
これらを学びながら、現場で実践していくのは簡単ではありませんが、
その分、「頼られる存在」になれる仕事でもあります。
■ 経験を活かしたキャリアアップも
施工管理の仕事は、年数を重ねることでスキルや評価が積み重なっていきます。
また、現場経験のある職人さんが管理職にキャリアチェンジするケースも増えています。
施工管理の仕事は、年数を重ねることでスキルや評価が積み重なっていきます。
また、現場経験のある職人さんが管理職にキャリアチェンジするケースも増えています。
■ まとめ
1棟の建物を解体するだけでも、さまざまな専門業者が関わり、細かく調整が必要になります。
それを現場で指揮し、安全に・確実に工事を進めていく施工管理者は、まさに現場の“要(かなめ)”。
建物を「壊す」だけでなく、「段取り・計画・安全・信頼」を支える重要なポジションです。
これから解体業界を目指す方や、管理職に興味のある方にとって、少しでも参考になればうれしいです。
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