こんにちは。今回は「アスベスト(石綿)」について、解体現場での実情と、意外と知られていない“身近さ”についてお話しします。
■ 解体現場=アスベストのイメージ。でもそれだけじゃない
「解体工事ってアスベストが心配ですよね…」と、周囲から声をかけられることがあります。
確かに、アスベストは昔の建材に多く使われており、解体作業中の飛散リスクには細心の注意が必要です。
ただ実は、アスベストのリスクは“解体現場だけ”にあるわけではありません。
■ あなたの家にもアスベストがあるかもしれません
アスベストは1980年代〜90年代初頭まで、ごく一般的な建材として広く使われていました。
今も使われている建物の中に、実はアスベストが残っているケースは少なくありません。
たとえば:
・天井の岩綿吸音板
・塩ビ製の床タイル・接着剤
・ボードの裏打ち材
・配管の保温材
・外壁のスレート板
・屋根材の一部 など…
築30年以上の建物であれば、かなり高い確率でアスベスト含有建材が使われている可能性があります。
「自分の家の中にもあるかもしれない」と考えると、アスベストがぐっと身近に感じられるのではないでしょうか?
■ 見た目ではわからない。だから調査が必要
「この家はもう古いけど、見た感じ大丈夫そう」と思うかもしれませんが、
アスベストは目視で判断するのが非常に難しく、見えない部分(接着剤や裏地など)に使われていることも多いです。
そのため、解体やリフォームを行う際には、事前に専門の調査を行うことが法律で義務づけられています。
■ 調査にも資格が必要
2023年以降は、一定規模以上の建物を改修・解体する際には、
「建築物石綿含有建材調査者」など、有資格者による事前調査と国への報告が義務化されています。
「解体現場でだけ危険」ではなく、
あなたの家でもリフォームや撤去の際にはアスベストと向き合う可能性があるということです。
■ まとめ
アスベストのリスクは、もはや“特別なもの”ではありません。
一般の住宅、店舗、工場、事務所など、幅広い建物に含まれている可能性があります。
解体現場では厳しい管理体制のもとで対応されていますが、
それ以上に大事なのは、「自分の住まいや建物に含まれているかもしれない」という意識を持つことです。
正しい知識と手順を知っておけば、アスベストは正しく管理できるものです。
まずは「知ること」から始めてみませんか?
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